目次
赤ちゃんを想う気持ちを形にする。
我が子がすぐそばにいるような居場所になる。
お別れをした赤ちゃんにできることの一つとして、赤ちゃんのスペースを作ることがあげられます。「赤ちゃんのスペース」とは、「お別れをした赤ちゃんの居場所」のことで、お花やお菓子などをプレゼントしたり、想いを赤ちゃんへ伝える場所になったりします。
スペースには何が必要なのか、他の人がどんなスペースにしているのか、どこに用意しているのかなど、赤ちゃんのスペースに関する情報をまとめたコラムになっています。ぜひ、最後までご覧ください。
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ご協力いただいたアンケート
「赤ちゃんのスペース(手元供養)」
回答募集期間:2024年4月4日~30日
回答数 :66件アンケートにご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。
手元供養ってなに?
手元供養とは、お骨の全部または一部を、小さな骨壺やアクセサリーに入れて身近な場所で保管する供養の方法のことです。「必ずこうしなければならない」という明確な決まりはありません。赤ちゃんを想う気持ちを供養として形にすることで、赤ちゃんとの繋がりを感じることができ、心が安らぐかもしれません。
ペリネイタル・ロスの場合、手元供養を選択する方は多くいます。
「赤ちゃんとずっと一緒にいたい」
「生まれてすぐにお墓に入れるのは寂しい。ママとパパの近くでご供養してあげたい」
そんなママ・パパの想いに寄り添った供養方法でもあり、ゆっくりと悲しみを癒すグリーフケアの効果もあります。一方で、手元供養は、比較的新しい供養の方法なので、家族や親戚から理解が得られない場合もあります。手元供養を検討する際は、周囲とよく相談することをおすすめします。ママとパパの気持ちを一番に考えて選択してくださいね。
スペースを用意したのはいつ?
アンケート結果によると、火葬後すぐに赤ちゃんのスペースを用意される方が多くいました。赤ちゃんとお別れすることがわかって、入院中から用意するものを選んだり、退院後すぐに準備した方もいました。
赤ちゃんのスペースを用意することで、お別れしたことを強く実感してしまう場合もあります。特に、産後はホルモンバランスが乱れており、心も身体も疲労困憊です。すぐにスペースの用意をする必要はなく、「心身の状態が落ち着いてからゆっくり用意することで、少しずつ悲しみに向き合うことができた」というお声もありました。自分のペースで、ゆっくりと向き合い、これからの人生を赤ちゃんと共に生きていきましょう。
スペースはどうやって用意するの?
赤ちゃんのスペースは、これが正解という形式はありません。宗教に沿ってご供養するのもよし。ママが赤ちゃんへプレゼントしたいものを並べるのもよし。たくさん置くとお手入れがしにくいから、シンプルにお花と骨壺だけにするのもよし。あなたが想うお子さんへの愛情を形にしてみてください。
Soramusubiさんでは、似た経験をしたママやパパにも「おうちを通して気持ちの変化を感じてほしい。少しでも前を向くきっかけになってほしい」 そんな想いを込めて、『天使の想い箱』をお届けしています。記事の最後に、Soramusubiさんのホームページをご紹介しているので、ぜひご覧ください。
仏具を置いている人の割合はどのくらい?
仏具を置いている人は64.6%、置いていない人は35.4%という結果になりました。
必ずしも大人と同じように仏壇や仏具を用意する必要はありません。仏具を置いていない方の中には、おりん代わりにガラガラを鳴らしている方もいました。赤ちゃんをあやすイメージで、あまり堅苦しくならないのが素敵なアイデアですね。
どんな仏具を置いているの?
おりんやお香立て(線香立て)を置いている人が30名程度いらっしゃいました。大人用の仏具ではなく、子ども用の小さなミニ仏具もさまざまな種類が販売されているので、自分の子のイメージに合わせた色やデザインを選んでいる方が多くいらっしゃいました。
インテリアに馴染みやすいデザインのものや、ガラス細工のように可愛くキラキラしたものもあり、「家族や友人が来たときに、興味を持ってもらえて嬉しかった」とのお声もありました。我が子の紹介をしたり、お線香をあげてもらえたりすると嬉しいですよね。
小さな仏具店だと、子ども用のミニ仏具は販売していない可能性があります。事前に店舗に問い合わせるか、インターネットで「ミニ仏具」などと検索をかけると購入できます。参考にしてみてください。
スペースを作った場所はどこ?
お子さんの存在を身近に感じられるように、「いつでも目につくリビングに置いている」と回答した方が圧倒的に多かったです。なかには、昼間はリビングで過ごして、夜は一緒に寝室へ移動している方もいました。
一方で、来客があった時に目に入らないよう、リビングの正面からは見えない隅にスペースを用意している方や、お仏壇専用のお部屋を用意している方もいました。
何をお供えするの?
アンケートに回答してくれたママが、実際にスペースにどんなものをお供えしているかを一覧にしました。
たくさんお供えすることが正しいわけではありません。ライフスタイルや心の状態によっては、お供えすることが辛いときもあります。たとえ、お供えをしていなくても、お子さんを想う愛情は存在すると思います。参考までにご覧ください。
お供えするもの
- お花
- お菓子
- おもちゃ(絵本、ぬいぐるみ)
- 写真、アルバム、マタニティフォト、エコー写真
- 手形・足形
- 命名書、ネームプレート
- 母乳、レトルト離乳食、ミルク、赤ちゃん用麦茶、お米、お水
- 臍の緒、爪、髪の毛
- 手作りグッズ(ネームボード、イラスト、刺繍、折り鶴)
- ヘア飾り、洋服、おくるみ、靴下、靴、帽子、スタイ、歯ブラシ
- キャンドル
- 置物(天使、お地蔵さん、動物、季節のもの)
- 母子手帳、マタニティマーク、安産祈願のお守り、育児日誌
- お世話になったNICUの方々からもらった寄せ書き
- メモリアルベア
- 遺骨ジュエリー
- 出かけ先のお土産
スペースを作ってどうでしたか?
良かったと回答した方の感想
Aさん(赤ちゃんとお別れして8ヶ月)
想いを伝えられる場になってよかった。
感情を表すのが苦手な夫で、一緒に泣いたり悲しむ時間がなくとても孤独を感じていた。スペースを作ったことで、夫も悲しみ、赤ちゃんへの愛情もちゃんとあったことに気づけた。お花買いに行こうと気にかけてくれたり、お線香をあげたり、夫と息子でお菓子を交換したりする姿を見て、男同士で仲良さそうでほっこりした気持ちになり、嬉しかった。いつも3人でいるような気がしている。
Bさん(赤ちゃんとお別れして2ヶ月半)
赤ちゃんがそこにいるような気がします!可愛い骨壷に入れているのですが、骨壺自体が赤ちゃんのような気がする……。 毎日お供物を変えてお線香をあげる習慣ができてよかった。日々少しずつ気持ちが落ち着いて、あった出来事を少しずつ咀嚼できるようになっているのは、スペースを作ったおかげかもしれません。
Cさん(赤ちゃんとお別れして3年)
赤ちゃんの居場所を作り、掃除したり、お花をいけたり飾ったりすることで、お世話をしている気持ちになれるので、作ってよかったです。
複雑な気持ちになったと回答した方の感想
Dさん(赤ちゃんとお別れして6年)
当時は慰めになったと思う。
ただ毎日線香をあげること、手を合わせること等を赤ちゃんへの気持ちと混同して、できなかった日に赤ちゃんのことを大事にできていない気がして自分を責めてしまった。そのため、早々に縮小した。また、次の子が生まれると触ったりして危ないため、リビングからも移動することになった。
Eさん(赤ちゃんとお別れして1年9ヶ月)
産後すぐは生花が常にあるように必死でした。枯れてしまったり、買いに行けなかったりすると自己嫌悪でつらくなっていました。産後1年を超えてからは、気が向いた時にお花を買ってあげる。出かけた際にお菓子を買ってくる。など、ちょうどいい距離感を保てていると思います。
Fさん(赤ちゃんとお別れして1年11ヶ月)
家族が集まる場所にあるため、見守ってくれているように感じる。埃が溜まってしまうと罪悪感を感じる。レインボーベビーに対して嫉妬していないか、と不安になる。
Gさん(赤ちゃんとお別れして3ヶ月)
なぜいなくなってしまったんだろうと虚しくなる。
赤ちゃんと想いが通い合う居場所
アンケート結果から、赤ちゃんのスペースは多くの当事者の心を癒し、赤ちゃんが存在したという証になると感じました。一方で、お手入れができないことやお線香をあげられないことで「赤ちゃんを想ってあげられていない」と感じ、辛くなってしまう方も多いようです。
次の子を授かったり、仕事を再開したり、女性のライフスタイルは大きく変動します。忙しくても頑張っているママの姿を見て、きっと応援してくれていると思います。
ご供養で一番大切なのは、我が子を想う気持ちです。どんな形であったとしても、我が子のために何かしてあげたいという気持ちがあれば、お子さんは喜んでくれていると思います。そして、我が子を想う気持ちによって行動することがご自分のグリーフケアとなります。
まずは、ご自分の心身が回復し、少しずつ「何かしたいな」と思えるようになってきたら、この記事を参考に赤ちゃんの居場所を作ってみてください。赤ちゃんと想いが通い合う居場所になりますように。
著者(取材・文=SORATOMOライター 小野寺ゆら)
協力
Soramusubi
Webサイト:https://soramusubi.com
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この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し、編集したものです
記事の内容は2024年6月の情報で、現在と異なる場合があります
こちらは個人の経験談であり、全ての人に当てはまるものではありません
※記事内の文章や画像の転用を禁じます
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