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赤ちゃんのお棺

赤ちゃんとお別れをすることになり、赤ちゃんのお棺を用意することは、ほとんどの人が初めての経験となるでしょう。突然のお別れを受け入れられないショックや抑えきれない悲しみを感じていると思います。そんな状態の中で、お棺をどこで用意するのか、どんな素材じゃないといけないのか、何を入れてはいけないのか……など、すべての情報をすぐに集めるのは非常に困難です。

このコラムでは、これから赤ちゃんとのお別れを経験するママ・パパが少しでも穏やかな気持ちでお見送りできるよう、お別れの時に用意する赤ちゃんのお棺についてまとめました。

ご協力いただいたアンケート

「棺についてのアンケート」
回答募集期間:2024年4月4日~30日
回答数   :59件

アンケートにご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。

お棺はどうやって用意するの?

Q.お棺はどのように用意しましたか?

Q.購入した方は、どこで購入しましたか?

アンケートに回答いただいたほとんどの方が、病院や葬儀屋で購入したり、あらかじめ用意されたものを使用していました。SNSやネット通販などで購入し、用意することも可能です。なかには、病院で販売しておらず購入できなかった方や、葬儀屋で購入できるという情報を知らずに手作りでお棺を用意した方もいました。

また、病院から火葬場までお棺を運ぶ際に、風呂敷のような包むものを用意するように言われた方もいます。葬儀屋でお棺を購入した際に、棺掛け(かんかけ)を用意してくれる場合もあるようです。不安な方は、病院や火葬場に用意が必要か確認してみましょう。

手作りでお棺を用意する場合

実際に手作りでお棺を用意された方の回答をご覧ください。

Aさん(妊娠20週のお別れ)

病院からネットで購入するか、手作りを勧められました。時間の余裕が無かったので、手作りする方法しか思い浮かばず、ホームセンターや100円ショップなどを回りました。ちょうど夫の黒の革靴が無かったので、なるべく白い箱の靴を探し、購入しました。箱の周りに白い模造紙を貼り付けて作りました。

Bさん(妊娠34週のお別れ)

ホームセンターでベニヤ板を切ってもらって接着剤で作成しました。

Cさん(妊娠39週のお別れ)

段ボールを装飾した。

Dさん(妊娠20週のお別れ)

100均で箱と可愛い包装紙を購入し、貼り付けた。作った棺が我が子に対して小さ過ぎて病院が準備してくれた物を使わせてもらった。

Eさん(妊娠18週のお別れ)

家にあったお皿が入っていた箱を使った。

事前にお別れをすることがわかっており、「我が子をお見送りするお棺を特別なものにしたい」と思う方は、手作りで用意するのも良いかもしれません。赤ちゃんの大きさに合わせた材料を探し買い集めるのは、時間や労力がかかると思います。ご自身の体調に気を付けて無理をせずに、ご家族の協力のもと用意してくださいね。

お棺に何を入れられるの?

アンケートに回答してくれたママが、実際にお棺にどんなものを入れたのかを一覧にしました。なかには、「お骨をできるだけ残すために、副葬品は中に入れなかった」という声も。どちらを選んでも、お子さんを想う気持ちが込められていると思います。参考までにご覧ください。

お棺に入れたもの

  • お花
  • お手紙
  • 折り紙
  • お菓子
  • おもちゃ、絵本
  • 写真(家族写真、おもちゃの写真、マタニティフォト、エコー写真 など)
  • 赤ちゃんのお洋服、スタイ、ヘアバンド、帽子、靴下、靴、おくるみ など
  • 固形ミルク、母乳を染み込ませたガーゼ、冷凍母乳
  • 命名書、お名前を書いた紙
  • ママが使っていたもの(ハンドタオル)
  • ママの髪の毛
  • 妊娠中に持っていたお守り、腹帯
  • 結婚式で使ったウエディングベール
  • 胎盤、へその緒

お棺に入れる副葬品の注意点

原則として、火葬の妨げとならない可燃物に限定されます。赤ちゃんのお骨を汚さないためにも、金属、プラスチック、ゴム、ガラス類等の不燃物は控えましょう。小さな赤ちゃんの場合はお骨が残りにくいため、副葬品を多く入れ過ぎないように注意が必要です。

また、「インターネットで調べたら禁止されていたものが、火葬場に確認したら問題無いと言われた」とのお声もありました。自治体や火葬場によって、お棺に入れる副葬品の制限が異なることがあります。 副葬品について迷った場合は、火葬場に問い合わせてみましょう。

※下記は、東京都港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の共同事業である臨海部広域斎場組合の利用案内に記載されている、「棺に入れられないもの」の一例です。参考までにご覧ください。


利用案内 柩に入れられないもの|臨海斎場|2024.5.18取得

赤ちゃんとお別れをしたママからのアドバイス

お花について

Fさん(生後14日のお別れ)

お花は仏花にこだわらず、娘をイメージした花を自分たちで買った。悲しかったけれど、花を選ぶ時間はお別れの大切なプロセスの一部だった。

Gさん(妊娠37週のお別れ)

花の用意について。私の場合は病院でもらった花を実母が入れやすいように切ってきてくれた。やってくれてなかったら入れやすい花がなかったと思う。

おもちゃについて

Hさん(妊娠34週のお別れ)

棺に入れた物と同じ物をもう一つ用意して、手元に置いておく。そうすると赤ちゃんとの繋がりを感じることができました。

副葬品の量について

Iさん(妊娠12週のお別れ)

火葬場によって対応は違うかと思いますが、入院中助産師さんからは「副葬品は少なめにするか、極端に言うと何も入れない方がお骨は残りやすいと葬儀屋さんは言ってる」と言われました。しかし、どうしてもたくさん入れたくてお花もお菓子もお手紙もなんでも入れました。葬儀場で火葬の直前に係の方がお骨が残るようにする為か、子を棺の外に出してくれ結果無事に残りました。ちなみにすごく弱い火にしてくれたようで、紙製の棺・花・タオルなどは焦げてはいましたがほぼそのままと言ってもいいくらい形は残っていました。色々な考えがあるので一概にこれがいいとは思いませんが、市役所の担当の方・葬儀場の方にも1度相談されるのがいいと思います。

Jさん(生後22日のお別れ)

副葬品が多いとお骨が残りにくいとも聞きますが、うちの子は3尺の棺いっぱいに副葬品を入れてもしっかりお骨が残りました。後悔のないように、色々持たせてあげて欲しいです。

Kさん(妊娠34週のお別れ)

悔いのないように入れたいものは入れたほうがいいと思う。

Lさん(妊娠34週のお別れ)

入れられるものについては自治体によってかなり差があります。私の住んでいる地域では極力少なくするように言われ、ネットで知った情報とかなり違うと感じました。

赤ちゃんを想う気持ちを大切に

アンケートの結果を通して、ママとパパが赤ちゃんを想う気持ちがお見送りの形となっていると感じました。お骨を残したいけれど、それでもたくさんの副葬品を持たせてあげて、あたたかく見送りたい気持ち。お骨を少しでも丁寧に大切に保存したいという赤ちゃんを優しく思いやる気持ち。どちらも、赤ちゃんに向けたママとパパの素敵な愛情だと思います。まずは各自治体のホームページをご確認いただき、予約をする時に、どのように赤ちゃんをお見送りしたいのか伝えてみてくださいね。

このコラムが、これから赤ちゃんをお見送りする方にとって、少しでもお見送りをイメージするための助けとなれば幸いです。産後は心身共に大きなダメージを受けているので、どうか無理をせず、身体を労ってくださいね。そして、赤ちゃんとの最期の時間を大切に過ごしてください。

著者(取材・文=SORATOMOライター 小野寺ゆら)

<参考文献>
利用案内 柩に入れられないもの|臨海斎場|2024.5.18取得


この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し、編集したものです
記事の内容は2024年4月の情報で、現在と異なる場合があります
こちらは個人の経験談であり、全ての人に当てはまるものではありません
※記事内の文章や画像の転用を禁じます

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