目次
赤ちゃんとのお別れという壮絶な経験をしたあと、多くの方が直面する次子のこと。
妊娠しておなかにいたはずの我が子、あるいは出産して目の前にいたはずの我が子。そんな大切な存在を失ったとき、次の妊娠のことを当事者の方はどのように考えるのでしょうか。今まさに同じことに頭を悩ませている方もいるかもしれません。
妊娠中や新生児期、乳児期にお別れした赤ちゃんのあとに授かった赤ちゃんは、雨上がりの虹になぞらえて〝レインボーベビー〟と呼ばれています。海外発祥の言葉ですが、近年では日本でも使われるようになりました。
SORATOMOでは、レインボーベビーについて、「お別れから妊活を開始するまで」「レインボーベビーの妊娠中」「レインボーベビー出産後」の3回に分けて、アンケートをとり記事にしていきます。
世の中には妊娠や出産に関する情報は多数あれど、「レインボーベビーの妊娠」に関する情報はまだまだ少なく、悩んだり不安に思ったりするママは少なくないと思います。
「他のママたちはどうだったのだろう?」
そんな疑問に、このコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。
今回は第一弾「お別れから妊活を開始するまで」のアンケートの回答をご紹介します。
ご協力いただいたアンケート
「赤ちゃんとお別れの後の妊娠についてのアンケート」
回答募集期間:2025年1月11日~4月20日
回答数 :54件アンケートにご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。
赤ちゃんとのお別れはいつごろですか

今回のアンケートでは、赤ちゃんとお別れした時期は妊娠初期から生後6ヶ月までと幅広い結果となりました。
次の妊娠を考え始めたのはいつ頃ですか

その他……「49日を終えたころ」「産休明け」「産後の通院中」「考えられない」
「お別れ直後」から「2〜3ヶ月」までの早い時期に、次の妊娠を考え始める方が多数という結果でした。
一方で、「1年以上経ってから」や「考えられない」という方もおり、お別れの状況や心の状態によってさまざまであることが伺えます。
次の妊娠に不安はありましたか

はい
- また同じことになったら、という不安。
- 死産した体で授かれるのか、授かれたとして無事に出産できるのか不安でした。妊娠したいけど妊娠が怖い感じです。
- そもそも無事妊娠出来るのかというのも不安でした。
- 緊急帝王切開だったので、子宮破裂などのリスクが不安でした。
いいえ
- 赤ちゃんは来てくれる。そう心から信じています。亡くなった娘にできなかったことを全部してあげたいです。もちろん不安もありますが、親の私たちが大丈夫と信じないで誰が信じるのだろうと思うので、大丈夫、と信じています。
次の妊娠に関して、医師から時期について指示がありましたか。
その他、医師から言われたことはありますか
時期について

医師から言われたこと
- 不育検査をすすめられました。
- 死産の悲しみが全て消える訳ではないけれど、次に妊娠して無事出産することで変わる部分もあると思うと言われました。
- 同じことは、起こらないよ。そう信じていきましょうと言われた。
- たとえ子供を持たなくたってあなたの価値が下がるわけではないと言われて嬉しかった。
- 早く妊娠しろ。次があれば忘れるから。と言われて絶望しました。
時期については帝王切開での分娩の場合は長めに間隔をあけるように言われることが多いようです。その他にも、「医者からは生理を2〜3回見送ってから。助産師さんからは1年は子宮を休めた方がいいと言われました」といった回答があり、状況や医療者によっても妊活再開の時期については見解にバラツキがあるようです。
また、医師から言われたことに関しては、上記のようにお別れしたママへの気持ちに対しての言葉が多くありました。一方で、「子宮頸管無力症だったため、次回は予防的シロッカー手術(子宮頸管を縛る手術)を受けることを勧められた」など、お別れの原因に対して次回の妊娠時にできることをアドバイスされたという回答も複数ありました。
不育症の検査を受けましたか

医師から検査を勧められた方もいれば、「原因がないか知りたい」「次の妊娠の際のリスクを減らしたい」とご自身の判断で検査を受けた方もいました。
次の妊娠について、妊活を決めた時の気持ち、決められない気持ちを教えてください
決めた気持ち
- 夫婦ともに子供が好きだったので、妊娠を諦めることは出来なかった。
- 主人や家族のためという気持ちが大きかった。自分の気持ちは追いついていなかった。
- とにかく寂しかった記憶があります。どうしてもまた赤ちゃんを抱きたかった、その一心だったような。
- 不安で仕方なかった。
- きっと来てくれる。信じる気持ち。
- 他の人が当たり前のように生んで育てているのを見るのは本当に辛い時もあります。でも、また「赤ちゃんに逢いたい 」という気持ちは消えることは無いです。その希望だけを胸に少しずつでも前に進めています。
- 夫の強い希望があり、産まなければ離婚と言われて仕方なく同意した。
決められない気持ち
- また、赤ちゃんに病気があったら人工死産という同じ選択をしたくない。今度はしっかりお金も環境も準備して迎えてあげたい。でも、本当は障害なく元気な子を産みたい。人工死産をしたのに、次の子を望むなんて虫がよすぎるのかな。
次の妊娠について、その他に感じていることを教えてください
- 次に妊娠した際に、仕事をどうしようかとても悩んでいます。職業柄、重労働や長時間勤務が多いので、休暇をもらうのか、いっそのこと辞めてしまったほうがいいのか……。今の社会は女性にとって働きにくいなと妊娠を経験してすごく感じます。
- 亡くなった子に対する気持ちも大事にしたいのに、レインボーベビーが生まれたらそちらにばかり構ってしまうのでは、愛情が薄れてしまうのではという申し訳なさがありました。忘れたわけではないのにこんなすぐに次の子を望んでいいのか?という迷いもありました。
- また授かることが出来るのか、お腹の中で無事に育てて出産し「育てる」ことができるのか全てが不安です。だからこそ、レインボーベビーという尊い存在に救われています。私たちの元にもレインボーベビーとして戻ってきてくれますようにと願いながら、お迎えできるように最大限自分たちにできる準備を頑張っています。
- 相談先がない、というひと言に尽きます。不妊治療をするかしないかの相談、もっと言えば不妊治療をやめることも含めた相談をする先が、もっと気軽にあったらいいのにと思います。また、次の妊娠期間中の心身のケアは必要不可欠だと感じますが、そういったことに配慮のある産院を見つけることは困難です。
揺れる気持ちに寄り添って
いかがでしたか?
レインボーベビーの妊娠について、さまざまな気持ちや考え方がありましたね。
「私だけじゃないんだ」
「そういう考え方もあるんだ」
そんな風にみなさんの気持ちに寄り添ったり気付きになれていたら嬉しいです。
赤ちゃんとお別れするという経験は、大きなトラウマとなりえます。
その中でレインボーベビーを望む気持ちは、とても尊いものであると同時に、心身ともに大きな負担となるかもしれません。
「はやく妊娠して、レインボーベビーに会いたい」
「でも、また失うかもしれないと思うと怖い」
そんな相反する気持ちを抱えている方もいるでしょう。
一方で、「今は妊娠や出産という話題から少し離れて、心を休めたい」と感じている方もいるかもしれません。
どちらの気持ちも、ママにとってとても自然で大切な感情だと思います。
レインボーベビーを妊娠・出産することは、ママにとって大変大きな出来事です。
ご家族と、そして何より〝ご自身の心〟に寄り添った選択をしていただけたらと思います。
著者(取材・文=SORATOMOライター 村木まゆ)
この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し、編集したものです
記事の内容は2025年7月の情報で、現在と異なる場合があります
※記事内の画像や文章の転用を禁じます

SORATOMO編集部
赤ちゃんとのお別れの「その時」から「これから、ずっと」共に生きるをテーマにしたWEBメディア「SORATOMO」を運営する編集部。流産・死産・新生児死・乳児死などで赤ちゃんとお別れをしたママと周囲の方へ向けた、生きていくヒントとなる情報をお届けします。