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妊娠中や新生児期、乳児期にお別れした赤ちゃんのあとに授かった赤ちゃんは、雨上がりの虹になぞらえて〝レインボーベビー〟と呼ばれています。海外発祥の言葉ですが、近年では日本でも使われるようになりました。
SORATOMOでは、レインボーベビーについて、「お別れから妊活を開始するまで」「レインボーベビーの妊娠中」「レインボーベビー出産後」の3回に分けて、アンケートをとり記事にしていきます。
今回は第二弾「レインボーベビーの妊娠中」のアンケートの回答をご紹介します。
「レインボーベビーを妊娠したら、どんな気持ちになるだろう?」と、期待と不安が混ざった想いを抱えるママも多いのではないでしょうか。
レインボーベビーを妊娠したママたちの声をまとめたこのコラムが、少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
※第一弾「レインボーベビー 〜お別れから妊活を開始するまで〜」のコラムはこちら
ご協力いただいたアンケート
「レインボーベビー妊娠中に関するアンケート」
回答募集期間:2025年9月19日~10月31日
回答数 :32件アンケートにご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。
お別れのあと、レインボーベビーを妊娠するまでの期間はどれくらいでしたか?

妊娠がわかった時の気持ちを教えてください
嬉しい・安堵
- 素直に嬉しかった。
- 同じ子ではないと思いつつも、また会えると思って本当に気持ちが楽になった。
不安
- また同じになったらどうしようと不安。まだ何があるかわからないから期待してはダメ。
- 嬉しかったと同時に、また死んでしまうのではという強い恐怖とこれから長期間戦うのだなと思った。
その他
- 死産した頃から職場の上司も同僚も入れ替わっているため、妊娠報告する際に亡くなった子の話をどこまで伝えようか悩んだ。
- 思ったより冷静でした。いよいよスタートラインだという気持ちで第一子(死産)の時と同じ気持ちです。
妊娠中、不安がありましたか?

どんな時に不安を感じましたか?
常に不安
- 特に胎動が無くなった時。毎日不安しかなかった。
- 胎動が始まったら毎朝。目覚めてからもすぐには起き上がらず胎動を待ち、生きていると確認できるまでの時間が、怖い。
- 子宮頸管無力症がいつ起こるか分からない不安に追われました。
出血や腹痛など何か症状があるとき
- 一時的な腹痛でも流産死産に繋がるのではと神経質になった。
- 破水きっかけの死産だったので、尿漏れか破水か分からないけど下着が湿った時は不安で泣きながら夜間病院に駆け込みました。
健診のとき
- 妊婦健診で内診台に乗るたび、前回異常を指摘された時のことがフラッシュバックする。
- 前回何も指摘されることなく20週の胎児スクリーニング検査で病気が判明し、天使ママという言葉を知ったので、毎健診怖くて仕方がなかった。
お別れした週数が近づいてきたとき
- 全体を通して健康に育ってるか常に不安が付きまとったが、新生児期に亡くしたので、周産期にフラッシュバックし特に不安が高まった。
- 予定日近くでの死産だったので、初期ももちろん不安はありましたが、予定日が近づくにつれて不安は増していきました。
不安な気持ちをどのように和らげましたか?
胎動を感じる
- お腹の子の元気な胎動を感じる時だけ不安が和らぎました。
- 泣いてるときに必ず 胎動を感じさせてくれたり 夢に出てきてくれたりしました!
病院に相談・受診する
- すぐに産院に連絡して診察をしてもらうことで、大丈夫なんだと言い聞かせていました。
誰かに気持ちを話す
- 夫に話を聞いてもらう。
- ただただ泣くことだったり、話を聞いてもらう環境を作ることで乗り越えました。
大丈夫と信じる
- とにかく子供を信じてました。
- お空に帰った第一子がついてくれているから大丈夫と思っていた。
- 元々、ポジティブ思考だったので、妊娠中は、同じことは起きない!!絶対、我が子と桜を見る!!とか、いいイメージを考えるようにしました。
考えすぎないようにする
- 仕事をしてあまりその事を意識的に考えないようにしていた。
- 妊娠していることをなるべく考えないようにしていた。ベビー服や産まれてからのことをなるべく考えないようにした。
その他
- レインボーベビーを産んだ方のSNSを見て自分も頑張ろうと思った。
- たぶん一生不安はなくならないから、時に泣いたり向き合ったりして、耐えました。
その他に感じた気持ちを教えてください
- やっと1歩前に進めるんじゃないか、悲しみが消えることは無いけど止まっていた時間が動き出すんじゃないかと希望の気持ちも芽生えました。
- 流産した時期くらいまでは妊娠を素直に喜べない気持ちがあってお腹の子に申し訳なかった。次第に流産してしまった子への気持ちが薄れているようで申し訳なかった。
- 母親学級などで妊娠出産歴を聞かれたり、第一子妊娠中に言われても何ともないことが心にグサッとくる場面は多々ありました。
- 亡くなった子にしてあげられなかった分まで、大事に育てようと思っていた。
分娩先は変えましたか?

変えた理由を教えてください
病院が信頼できない
- 医師を信頼できない、看護師の対応も悪かった。
トラウマになった
- 分娩室がトラウマ。
- 嫌とかではなく思い出すのが怖かった。
- 主人が前の病院に不安感を覚えていたため。
大病院に変えた
- なにかあっても対応してもらえるNICUのある病院に変えました。
その他
- 死産が里帰り前の病院で急遽出産となったので、今回は前回同様の里帰り先の病院でリベンジする予定です。
変えなかった理由を教えてください
病院の対応が良かったから
- 上の子を死産した時とても良くしてくださり、もしまた妊娠できるなら同じ産院で産みたかった。
事情を把握してくれているから
- 亡くしたことも知ってもらっている看護師さんやお医者さんがいたため安心して出産を迎えられると思いました。
- 新たな病院で今までの経歴を話さなければならないことがとてもしんどく感じました。
大きい病院だったから
- 地域の中核医療機関であり、あらゆる事態に対応してくれるため。
その他
- 通いやすい産院が他になかったから。
- 娘が生まれた産院で下の子も産みたい、繋がりを感じたいと思ったからです。
医師から勧められたことはありますか?
すぐ相談すること
- また何か不安だったらすぐに病院に来ていいからねと優しい言葉をかけてくれた。
検査や薬を勧められた
- 希望があれば不育症の検査を受けてみてもいいかもと言われた。
- 子宮内フローラ検査。結果陽性であったため、サプリを処方してもらい、子宮内環境を整えることができた。
- 不安な気持ちを和らげる漢方を処方された。
処置をした
- 前回は子宮頸管がほとんどない状態での搬送・診断になってしまったので、安定期に入る前に子宮頸管縫縮をしてもらいました。
健診の方法の見直し
- 初期から2週間に1回のペースで診察することを提案してもらいました。
- 妊娠後期から毎回のNST検査。
気にしすぎないようアドバイスされた
- 前回の妊娠は誰が悪かったわけでもないから、あまり気に病まないように言われた。
その他
- 精神科を受診すること。
- 周産期母子医療センターで出産することを勧められた。
レインボーベビーを迎えるための準備を積極的にできましたか?

安産祈願をしたり、マタニティフォトを撮ったりしましたか?
安産祈願をした
- 安産祈願と死産したことに関連性があるとは考えていなかったので、とにかく無事に産まれてくれたらと、藁にもすがる思いだったから。
- 亡くした時はしなかったので後悔し、今回は行った。
- 都合のいいことはスピリチュアルなことを信じる質なので、亡くなった子が守ってくれると思って、一生懸命お願いした。
- 安産祈願はお姉ちゃんと同じ神社さんにリベンジしました!
安産祈願をしなかった
- 安産祈願後に病気が判明したので行かなかった。
- 上の子の時に近くの神社で行ったが叶わず、神頼みしても死んでしまう時は死んでしまうのだなと虚しさを感じた。
マタニティフォトを撮った
- マタニティフォトというよりファミリーフォトを撮りたいという気持ちが強く、飼っているわんこと第一子のウエイトベアを連れて撮影に行きました。第一子も含め家族みんなで写真が撮りたいという思いでした。
- 前回マタニティフォトが撮れなかった悔いもありましたし、どんな形で会うことになっても記念は残しておきたいです。
- やはり亡くなった子のことも常に思い出してましたが、レインボーちゃんに対してもちゃんと向き合って思い出を残しておくべきだと思ったから。
マタニティフォトを撮らなかった
- 亡くした時はちゃんとしたものを撮ったが、何も疑ってない幸せいっぱいの表情でうつっていて見返すのも辛いものになってしまい、今回は撮らなかった。
- 第一子の時写真を撮ったりしましたが、亡くなってしまった事で、積極的に記録に残したりの執着はその反動も大きい事を理解したので、昂りすぎないようにしていました。
違っていても、大切な選択
おなかに宿った新たな命は、ママにとって大きな希望の光となります。しかし、その光が輝かしいほど、「また失うかもしれない」という不安も胸に大きく膨らんでいくものです。
赤ちゃんとのお別れを経験したママにとって、その不安は一層現実味を帯び、時にトラウマとなってしまってもおかしくありません。
アンケートに寄せられた声に共通していたのも、やはり“不安”でした。
けれど、アンケートを通して見えてきたのは、直面する不安に対してみんなが自分なりの方法で向き合っている姿でした。
安産祈願に足を運ぶ人、分娩先を変えて不安を拭おうとする人。逆に、何もしないと決めて自分の気持ちを受け止めたり、あえて距離をとって過ごす人もいました。
「レインボーベビーの妊娠」という特別な時間の過ごし方に決まりはありません。
背景や状況が違うママたちが、それぞれの心を守るために導き出したもの。
どのような過ごし方をしたとしても、それは尊重されるべきもので、その人にとっての“正解”なのだと感じました。
現在レインボーベビーをおなかに宿してるママも、これからレインボーベビーを望むママも、同じような不安や迷いを抱えているかもしれません。
このコラムでご紹介したさまざまな声が、誰かの未来をそっと照らすヒントとなることを願っています。
著者(取材・文=SORATOMOライター 村木まゆ)
この記事はSORATOMO編集部が独自に調査し、編集したものです
記事の内容は2025年11月の情報で、現在と異なる場合があります
※記事内の画像や文章の転用を禁じます

SORATOMO編集部
赤ちゃんとのお別れの「その時」から「これから、ずっと」共に生きるをテーマにしたWEBメディア「SORATOMO」を運営する編集部。流産・死産・新生児死・乳児死などで赤ちゃんとお別れをしたママと周囲の方へ向けた、生きていくヒントとなる情報をお届けします。













